社会福祉法人アイリス学園 児童養護施設アイリス学園

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2026.04.01

令和8年度スタートにあたって【コラムと最新職員募集要項】

アイリス学園の子ども養育につきましては、日頃地域の皆さまをはじめ特段のご協力を賜り厚くお礼申しあげます。子ども達は来週から本格的に始動する新しい学校、新しい学年のクラスでの生活に備えて、日々生活リズムを整えて自主学習に積極的に取り組んでいます・・・と言いたいところですが、その話も今日ぐらいからというところです。まあ、いいじゃないですか?僕もですが、このコラムを読んでくださっている皆さまも子ども時代を思い起こしてみれば、春休みは特に宿題もたくさんあるわけではないし、寝坊したり、テレビを見たり、好きなことしていたらあっという間に1日終わってしまい、お家の人に「ちゃんと学校の準備はしているんでしょうね?」とか「予習しなさい!」とか言われていた記憶はございますよね?「いや、私はしっかりやっていたよ!」という方にはごめんなさい。だから、僕も先生方も自分たちが出来なかったことを、無理やり子どもに押し付けるようなことはしていません。でも、ある意味僕たちはその準備や予習を4月になって、いよいよ学校が始まるという時になって、焦ってやり始めて結局、春休みだって計画的に学校の準備も自主学習もやっていればよかったという後悔の記憶があるから、「やっぱりやっておいた方がいいと思うよ~」という声掛けを行っています。でも、人生何事も経験です。ここで僕たちと同じ経験をして、反省するのも「養育」の場面としては必要なのかあと思っています。

ところで皆さんは「当たり前」の反対語ってご存じですか?アイリス学園は、様々なご家庭の事情があって、家族と一緒に暮らせない児童、生徒をお預かりしている施設ですが、その生活費に当たる経費は公費で賄われるシステムになっています。最低限の衣食住の保障はされており、かつ学校へ通う際の学費、交通費、教材費、高校進学の際は制服一式等も準備しています。これは子どもが自分の将来を考えながら学び、心身の健全な成長を促し、当たり前の生活ができる環境であることが、児童養護施設を運営する上での最低条件となっていることが法律で定められていて根拠となっているからです。

でも、私の友人のプロマジシャンの空先拓海さんは、自分のマジックショーとコラボしての講演会「夢の叶え方」の締めにいつもこんな話しをしてくださいます。「僕は複雑な家庭環境で、家にすらいられなくて、二十歳になる前に家出して橋の下で1年暮らしたことがあるんだよ。当然だけど1日3食どうするかなんてわかんない。目の前は川だけど水は冷たいし、下水で汚いしお風呂代わりなんてなるはずない。寝ようと思っても布団なんてある訳ないから、その辺のリサイクル資源物置き場の段ボールを拝借してきて寝ていた。着古した上下のジャージにサンダル履きという姿でだよ」と。そしてそんないつも腹を減らし、衛生的にも、健康的にも悪い生活で家出生活をしている空先さんを見かねた親友のNさんとそのご家族が自宅に招きいれてくれて、結果、その後家族のように接してくれたことには一生の感謝の想いしかないと。」でも、本当に空先さんがお客様に伝えたいことは次に語られます。「みんな、今晩ご飯たべるよね?お家の人作ってくれるよね?でも、またこれか?とかこれ嫌いとか言ってないかい?その後は多分お風呂沸いてるよね?そしてさっぱりして、自分の部屋に行くとどんなに寒い日でもあったかいお布団と毛布で眠れるよね?僕はね、Nんちにお邪魔して、お母さんに最初に出してもらったご飯って本当においしかったよ。そしたら、拓海くんお風呂入り~って。お風呂あがったら、男同士やからNのベッドと並べて布団敷いといたから寒くないように寝てな~」って。これってホンマ奇跡やって思ったよ。本当に。当たり前と思っている食事やお風呂や布団やベッドで毎日温かく、ゆっくり眠れるっていうことは奇跡なんだよ。だから、今日の僕のマジックや話しは全部忘れてもいいからこれだけは覚えて帰ってね。「当たり前の反対語は、有ることが難しいと書いて、有難い、ありがたい、ありがとうっていう言葉なんだよ。ありがとうという言葉、感謝の気持ちというのは、人として絶対忘れちゃいけない言葉だし、毎日ご飯を作ってくれたり、お風呂沸かしてくれたり、お布団準備してくれたりという“自分を大事に想ってくれている人”を大切しないといけないと言うことだけは忘れないでね。」と。その空先さんのお顔を浮かべながら、僕は学園で生活している子ども達に今後も先生方と語り掛けていこうと思います。「先生たちはみんなのことが大好きだ!すごく大切に思っている!だから、いつもみんなを応援してくださっている周りの大人の皆さんへの感謝の気持ちを忘れずに一緒に生活していこうね。」と。そして将来、優しい、思いやりに溢れる大人に成長して、世の中の役に立つ人になってほしいと職員一同共通の願いといつも寄り添いながらの支援への決意を新たにした、こんな4月1日でした。令和8年度もよろしくお願い申しあげます。

令和8年4月1日

社会福祉法人アイリス学園
児童養護施設アイリス学園
こども一同
職員一同
園長 青木美津雄

※ アイリス学園では随時、一緒に働いて下さる方を募集しています。4月1日最新版の要項を作成しましたのでぜひご覧くださいませ。